「監査上の主要な検討事項(KAM)に関するQ&A集・前編」の公表
KAMとは
KAMとは、「監査上の主要な検討事項」(Key Audit Matters)をいいます。監査基準が改訂され、金融商品取引法上の監査人の監査報告書において、その記載が義務付けられることとなりました。
KAMは、原則として、金融商品取引法に基づく有価証券報告書等提出会社において、2021年3月期決算に係る財務諸表監査から記載が必要となります。
但し、それ以前の決算における財務諸表監査において適用・記載することも可能であり、特に東証一部上場会社においては、2020年3月期決算における監査から早期適用することが期待されています。
「監査上の主要な検討事項(KAM)に関するQ&A集・前編」
日本監査役協会は、2019年6月11日に、「監査上の主要な検討事項(KAM)に関するQ&A集・前編」を公表しました。
今後、KAM導入にあたって、監査役等がどのように対応すべきかについては、各社の状況に応じて、最終的には、個別に判断するべき事項であると思います。
とはいえ、会社によっては、2020年3月期決算における監査から早期適用することも想定されます。このため、同Q&A集・前編では、KAMを円滑に導入するために、監査役もしくは監査役会、監査等委員会または監査委員会(以下「監査役等」)が実務的に留意すべき事項が、Q&A形式でまとめられています。
具体的には、KAMを早期適用する場合も含めて、
- KAMの概要、導入の背景、KAMとして考えられる事項
- (早期適用する場合の)導入に向けてのスケジュール
- 監査契約、監査計画において留意すべき事項
等について、実務的な留意点がまとめられています。