公益通報者保護法の改正法案 3
行政機関等への通報を行いやすくする目的での改正
(1)行政機関への通報の保護要件の緩和(2号通報)
現行法では、行政機関への通報(2号通報)について、
「通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由がある場合」
という、いわゆる「真実相当性要件」が求められています。
しかし、真実相当性の判断は難しく、この要件を求めていたのでは、行政機関への通報のハードルが高いのではないかという問題意識がありました。
この点、改正法では、
通報者が、自身の氏名等を記載した書面を提出する場合には、真実相当性の要件は求めず、
・ 「通報対象事実が生じ、若しくはまさに生じようとしていると思料」すること
で足りるとされました(改正法3条2号)。
(2)報道機関への通報の保護の拡大(3号通報)
現行法では、報道機関等への通報(3号通報)については、
「個人の生命・身体に対する危害が発生する又は発生する急迫した危険があると信じるに足りる相当の理由が存在すること」
が保護要件とされています。
改正法では、さらに、
・ 財産に対する損害(回復困難又は重大なもの)に関する通報
についても、保護対象となりました(改正法3条3号へ)。
また、新たに、
・ 内部通報をした場合、通報者を特定させる情報が漏れる可能性が高い場合の通報
についても、保護の対象とされました(改正法3条3号ハ)。